僕だけがいない街

STORY

ストーリー

1

第一話

走馬灯

藤沼悟。29歳。
彼は自身が引き起こす特殊な現象「リバイバル」の結果、交通事故に遭ってしまう。
幸い軽傷で済んだものの、心配して来た母親の佐知子と同居することに。
二人で行ったスーパーの帰り道、リバイバルが再び悟に訪れる。
今度は何事もなく、無事帰宅する悟だったが、ふいに佐知子から「スーパー前で誘拐事件が未遂に終わった」という不穏な言葉を耳にする。
そしてバイト先から帰ってきた彼は、信じられない光景を目にするのだった。

スタッフ

  • 脚本
    岸本 卓
  • 絵コンテ
    伊藤智彦
  • 演出
    伊藤智彦
  • 作画監督
    佐々木啓悟

第二話

悟は突如、昭和63年に時間跳躍する。
それは“リバイバル”。
過去に戻り「違和感」を解決することで、起こりうる事件を回避するという現象だ。
そこでは母が在りし日の姿のままでいる……。
悟は失ったはずの時間を噛み締め、母を救いたいと願う。
これがリバイバルなら、違和感を解消すればそれが叶うかもしれない。
だが、なぜこの時代なのか、違和感がどこにあるのか。
答えが出ない悟。
その前を、ひとりの少女が通り過ぎる―。

スタッフ

  • 脚本
    岸本 卓
  • 絵コンテ
    石井俊匡
  • 演出
    石井俊匡
  • 作画監督
    伊藤公規

予告映像

第三話

雛月加代が失踪した日が判明すれば、事件を阻止できるはず。
そう考えた悟は、彼女の誕生日までの間にXデーがあると推察する。
さっそく雛月に誕生日を尋ねるも、些細なことから距離ができたことで失敗に終わってしまう。
それでも悟は職員室へ赴き、八代から聞き出すことに成功。
3月1日こそがXデーであると確信し、雛月の家に赴き様子を伺う。
だが、そこで見たものは、物置にボロボロの姿で監禁された雛月の姿だった……。

スタッフ

  • 脚本
    安永 豊
  • 絵コンテ
    鹿間貴裕
  • 演出
    鹿間貴裕
  • 作画監督
    鹿間貴裕

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第四話

達成

Xデーまであと1週間。
事件そのものを無くそうと意気込む悟は、一人にさせないよう、雛月を科学センターに誘う。
だが、彼女の母親が許さない。
そこに現れたのは佐知子だった。
そのフォローのおかげで、共に科学センターに行くことができた悟。
そこで彼は雛月と18年前にも同じ会話をしたのを思い出す。
リバイバル前と同じ時のレールに乗っているのではという疑念、そして迎えたXデーの当日……。

スタッフ

  • 脚本
    岸本 卓
  • 絵コンテ
    綿田慎也
  • 演出
    綿田慎也
  • 作画監督
    横田匡史

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第五話

逃走

学校に来なかった雛月は、やはり失踪していた。
やり切れない思いを抱える悟は、もっと何かできたはずだと思い詰める。
さらに隣の小学校に通う中西彩も失踪。
18年前と同じ時の流れに乗っている…それを知る立場の悟だけは雛月の死を直感していた。
そして、彼は見てしまう。
雛月の母親が捨てたゴミ袋の中に入っていた編みかけの手袋を……。
悟はたまらず走りだした。
その目の前に待っていたのは――。

スタッフ

  • 脚本
    岸本 卓
  • 絵コンテ
    平川哲生
  • 演出
    星野 真
  • 作画監督
    新井博慧

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第六話

死神

炎に包まれる愛梨を救い出した悟。
火事は佐知子殺害犯によるものという確信を得た悟は、佐知子が残したメモを頼りに、ある人物にコンタクトを取る。
それは、元テレビ石狩の記者・澤田という男だった。
彼から佐知子が18年前の真犯人を知っていたこと、そして犯人は殺人の後、必ず無実の人物を容疑者に仕立て上げているという推察を聞く悟。
さらに澤田の容疑者リストを読むことで、悟は犯人特定に繋がる重要事項に気がつく――。

スタッフ

  • 脚本
    岸本 卓
  • 絵コンテ
    森 大貴
  • 演出
    森 大貴
  • 作画監督
    山名秀和

予告映像

第七話

暴走

警察に連行される悟は群衆の中に「帽子の男」の姿を見た。
「終われない…俺にはまだやらなきゃならない事がある…」、彼の祈りは奇跡を呼ぶ。
そして気がつくと悟は科学センターにいた。
三度目の昭和63年、Xデーの4日前、雛月は悟の隣で健在だ…。
今度こそは後悔の無いように…、新たな決意を胸に悟は踏み出す。
まずはXデーを乗り切り翌日の誕生日会を終えた彼は、その夜にユウキさんの自宅に向かった。
アリバイを作るべく家に石を投げ警察を呼び、さらには帰宅中の雛月の母を待ち伏せる…。
心に余裕が無くなっていた故の過激な行動をたしなめたのは、数日間悟を監視していたケンヤだった。
ケンヤの言葉に冷静さを取り戻した悟は、雛月に「お前のこと誘拐するけどいい?」と問うのだった。
誘拐犯が手が出せない場所に避難しなければ…という悟の意図を汲んだケンヤは、隣の小学校校庭にある廃車となったバスに二人を導く。
雛月が廃バスの隠れ家で過ごす日々が始まった。
だが彼女がひとりで夜を過ごしている時、思わぬ来訪者が…

スタッフ

  • 脚本
    安永 豊
  • 絵コンテ
    江崎慎平
  • 演出
    石井俊匡
  • 作画監督
    小野田貴之

予告映像

第八話

螺旋

自宅に帰らずに廃バスの隠れ家で過ごす雛月と、それをサポートする悟たち。
雛月を自らの手で失踪させ、警察や役所の介入を招くことで母親や誘拐犯から遠ざける、それが悟が描いたシナリオだ。
悟やケンヤの予想より周囲の大人たちの反応は鈍く、不登校が続く雛月に対して対策が成されぬまま数日が過ぎる。
佐知子や八代だけが悟の行動の変化から事態に気がつき始めていた。
そしてある夜に隠れ家にやってきた大人の男、その人物が遺した段ボール箱の内容を見た悟は戦慄する…

スタッフ

  • 脚本
    安永 豊
  • 絵コンテ
    こさや
  • 演出
    こさや
  • 作画監督
    古住千秋

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第九話

終幕

3日にわたる行方不明の期間を経て、自宅へと戻る雛月。
母親である明美は、彼女の後ろに控える悟・佐知子の姿を見て、怒りのあまりシャベルを振り回す。
間一髪、その一撃を避ける佐知子。
そして見計らっていたように、児童相談所の職員と八代が現れた。
雛月の一時保護を伝える職員に明美は反発し、警察に行くと息巻いた。
3日間の誘拐を警察で話されると悟たちが不利になる…そんな状況の中、八代が連れてきた誰も予期せぬ人物が、事態を急変させる……。

スタッフ

  • 脚本
    岸本 卓
  • 絵コンテ
    伊藤智彦
  • 演出
    伊藤智彦
  • 作画監督
    徳野悠我

予告映像

第十話

歓喜

次の被害者となる中西彩のひとりぼっちをなくすため、彼女に声を掛ける悟たち。
最初は取り合わなかった彩だが、カズの一言がきっかけとなり、悟たちのアジトへ顔を出すようになる。
ヒロミも含め、殺されるはずだった三人は犯人のターゲットから外れた。
だが、悟には「犯人は代わりに誰を狙うのか」が気にかかる。
最近クラスで浮きがちだった美里がひとりぼっちになるのを防ごうとする悟。
アイスホッケー試合会場の美里を尾行していると、彼女の姿が突如消えた。
慌てた悟は担任の八代に頼みこんで不審なトラックを追うがその先には…。

スタッフ

  • 脚本
    岸本 卓
  • 絵コンテ
    鹿間貴裕
  • 演出
    鹿間貴裕
  • 作画監督
    前田学史、山名秀和

予告映像

第十一話

未来

悟が冷たい水の底に沈んだ日から年月は流れ、2003年。
九死に一生を得たものの昏睡状態となった彼は、ついに目を醒ます。
15年もの間眠り続けていたという事実と、事件にまつわる記憶が失われていることにショックを受ける悟。しかし献身的に悟に尽くし、過去の話題を避けているような素振りの佐知子を見て、「あえて思い出さなくていいのでは?」とも思うのだった。
そんな彼のもとに、赤ん坊を抱いた一人の女性がやってくる。
かつて、悟がその生命を未来へとつなげた少女??雛月加代だった。
感極まり、祝福の言葉を贈る悟。それをきっかけとして彼はリハビリの量を倍にし、必死の努力を重ねていった。
季節は秋。
悟は院内で知り合った久美という少女と友人になっていた。
骨髄移植に不安を覚える久美を励ます悟。
そんな二人のもとに、あの帽子の男・西園が現れた。
彼は自身がかつて5年4組の担任だった八代学であることを明かすのだった……。
八代や久美と交流を続けながらリハビリの日々を過ごす悟。
だが身体の回復と対照的に、彼の記憶は閉ざされたままだ。
久美の手術を目前に控えたある日、彼女の病室で八代と鉢合わせした悟は、誘われるまま屋上に向かう。
雨が滴る中で15年前の懐かしい思い出を語り始めた八代。
だが、突如悟は強い意志を秘めた瞳を向ける。

「八代、俺の記憶は戻っているぞ――」。

スタッフ

  • 脚本
    岸本 卓
  • 絵コンテ
    江崎慎平
  • 演出
    星野 真
  • 作画監督
    伊藤公規、杉崎由香

予告映像

第十二話

宝物

小雨が降る病院の屋上で、悟は八代と対峙していた。
「俺の記憶は戻っているぞ」と言い放つ悟だが、八代はまったく動じない。
全てを読み切った上で、悟に罠を仕掛けていたのだ。
八代のシナリオは、悟の新たな友人・久美の点滴に筋弛緩剤を混入して殺害した上で、悟をその実行者に仕立ててから殺すというものだ。
ついにチェックメイトか――。
だが、静かに勝利を宣言したのは悟だった。
そして彼は唐突に、自らの手で屋上の縁に車椅子を進めて行く…。
間一髪、それを掴み助けたのは…他ならぬ八代だった。
彼は告白する。
悟がいるからこそ、自分は生きている実感が持てるのだと。
それを認めた上で、悟を放し屋上から取り落とした八代は、自らも飛び降りようとする。
だが、彼が眼下に臨んだ視界の中には、救助マットの上で微笑む悟とその仲間の姿があった――。

スタッフ

  • 脚本
    岸本 卓
  • 絵コンテ
    石井俊匡
  • 演出
    石井俊匡
  • 作画監督
    佐々木啓悟、横田匡史

予告映像