逃げ上手の若君

STORY

ストーリー

1

01

5月22日

時は元弘三年(1333年)鎌倉。
世を治める鎌倉幕府執権の跡継ぎ・北条時行は、武士の子ながらも争いを好まぬ、心優しき少年であった。
戦いと死こそが武士の名誉といわれる時代にありながら、武芸の稽古を嫌い、臆病者と囁かれ、逃げることと隠れることばかりが得意な時行。
ある日、いつものように稽古から逃げ出した時行の前に現れたのは、怪しき神官・諏訪頼重。
未来を見通す力を持つという頼重は、時行が「天を揺るがす英雄になる」と告げるのだった。
嵐のような運命に翻弄される少年の、天下をかけた鬼ごっこが始まる――!

スタッフ

  • 脚本
    冨田頼子
  • 絵コンテ
    山﨑雄太
  • 演出
    山﨑雄太
  • 作画監督
    西谷泰史

02

やさしいおじさん

鎌倉幕府の守護神とも称された足利高氏。
その高氏の謀反により、鎌倉幕府は驚異の速さで滅亡に追い込まれる。
伯父の五大院宗繁に保護され、高氏に与する武士たちの目を潜り抜けた時行の兄・邦時。
一方、時行は頼重の領地・信濃諏訪に向かうため、鎌倉の外れにある廃屋に身を隠していた。
しかしそこにも監視の目が向いてゆく。
見知った旗印ばかりが翻る。誰が敵で、誰が味方か。
裏切りの連鎖に打ちひしがれる時行たちに、さらなる苦難が迫るのだった――。

スタッフ

  • 脚本
    冨田頼子
  • 絵コンテ
    川上雄介
  • 演出
    川上雄介
  • 作画監督
    伊藤優希

03

神の住む森



伯父・宗繁との命をかけた鬼ごっこに勝利し、見事兄の仇を討った時行。
諏訪の地に着くも、傷ついた心を癒す間もなく、時行は頼重に鎌倉奪還へ向けた鍛錬を促される。
未だ頼重への疑念は拭えず、学ぶことの意味も見いだすことができない。
自身が英雄となることを縁遠く考えている時行に、頼重はあるものを見せる。
そして、共に鎌倉奪還を目指す「郎党」を作るよう告げるのだった。
全てを失った少年は、「神」の加護を受け、諏訪の地で静かに力を蓄えてゆく――。

スタッフ

  • 脚本
    冨田頼子
  • 絵コンテ
    舟窪理治
  • 演出
    舟窪理治
  • 作画監督
    宮内 崇、三輪修平

04

貞宗登場!



時行は鎌倉奪還のため、日々剣術の稽古に励む。
しかしその太刀筋は、誰もが驚くひ弱さであった――!
そんな時行が唯一得意とする武器は「弓」。
「逃げ」と「弓」の二つを活かした戦術に頭を悩ませる頼重のもとに、突如来客の知らせが入る。
諏訪大社を訪れたのは、新たに信濃守護に任じられた武将・小笠原貞宗。
挨拶がわりと天下無双の弓技を見せつけた貞宗の姿に、頼重は妙案を思いつく。
鎌倉幕府滅亡を機に動き出した各地の勢力図。
諏訪の運命は、時行に託される――。

スタッフ

  • 脚本
    枦山 大
  • 絵コンテ
    小室裕一郎
  • 演出
    小室裕一郎
  • 作画監督
    冨田真理

05

決着!犬追物、そして

武芸に秀で、驚異の「目」の良さを持つ貞宗との犬追物対決。
時行は大きく点差をつけられ、負傷し、追い込まれてゆく。
しかし、手綱を取り、馬を走らせ、容赦のない攻撃にさらされながら、時行は……瞳を輝かせていた!
「逃げ」のなかに自らの戦い方を見いだした時行は、じわじわと貞宗に迫ってゆく。
果たして、犬追物の結末は――。
貞宗との勝負の相手に時行を指名した、頼重の思惑とは――。
そして、諏訪大社から離れた地からは、とある盗人の噂が届くのだった……。

スタッフ

  • 脚本
    山崎莉乃
  • 絵コンテ
    倉田綾子
  • 演出
    倉田綾子
  • 作画監督
    吉野彰敏

06

盗め綸旨、小笠原館の夜

自在に姿を変化させ、あらゆる技で敵を翻弄する盗人・風間玄蕃。
時行は玄蕃と共に小笠原の館に忍び込み、帝の綸旨が保管されている蔵への侵入に成功する。
しかし、そんな二人の様子を、貞宗の配下・市河助房の「耳」が捉えていた……。
助房の「地獄耳」に、さすがの玄蕃も苦戦を強いられる。
息の音一つさえも命取りとなる状況で、二人は着実に追いつめられてゆく。
命の危機に瀕する時に垣間見える人の心こそ本質。
闇夜の隠れ鬼に、時行たちは勝利できるのか――。

スタッフ

  • 脚本
    山崎莉乃
  • 絵コンテ
    菊地陽子
  • 演出
    菊地陽子
  • 作画監督
    Nogya

07

冬の子供たち

諏訪での初めての新年を迎える時行。
全国の混乱は一応の小康状態となっているものの、小競り合いは続き、諏訪の地にもまた新たな危機が迫っていた。
諏訪領・北の国境付近にて、小笠原の不穏な動きを察知した頼重たち。
腕利きの偵察が出払っているなか、時行は「逃若党」による偵察を提案する。
心強い申し出に喜ぶ郎党たちだったが、なぜか頼重だけは猛烈に反対し……。
大人たちからの期待と心配を背に、逃若党が諏訪を駆ける――!

スタッフ

  • 脚本
    冨田頼子
  • 絵コンテ
    小室裕一郎
  • 演出
    友田 康
  • 作画監督
    やまだまや、Nichi Studio(吳 亭頣、黃鄧依姍、日 堯、劉 玟萱、李 育蓁)

08

かくれんぼ戦争

諏訪領の北端・中山庄へと向かった逃若党。
そこで時行たちが出会ったのは、吹雪という名の一人の少年だった。
小笠原勢により大人たちを殺され、その後も襲われ続けている村を、遺された子供たちとともに守り続けていた吹雪。
逃若党は、兵法にも通じる吹雪と協力し敵を迎え討つ作戦に出る。
そして時行は、吹雪からある剣技を授かることとなり……。
対して村を狙うのは、「悪党」として恐れられた男・瘴奸が率いる、血に飢えた悪鬼ども。
新たな若き頭脳を味方に、時行はこの窮地を切り抜けられるか――!

スタッフ

  • 脚本
    枦山 大
  • 絵コンテ
    川上雄介
  • 演出
    川上雄介
  • 作画監督
    鈴木咲花、伊藤優希

09

わたしの仏様

激しさを増してゆく瘴奸率いる「征蟻党」と逃若党の戦い。
狭い室内、鎧武者相手という厳しい状況のなか、時行は吹雪から授かった「逃げ」を活かした技で大将・瘴奸に立ち向かう。
一方、征蟻党幹部・死蝋を相手に苦戦を強いられる弧次郎と亜也子。
そして一人、同じく征蟻党の幹部・腐乱を誘い出した吹雪の思惑とは……。
圧倒的な戦力差ある大人たちに、天下奪還を目指す少年少女たちが挑む。
慈悲深き仏の一太刀は、地獄の闇を彷徨う鬼への救いとなり得るか――。

スタッフ

  • 脚本
    枦山 大
  • 絵コンテ
    今井有文
  • 演出
    今井有文
  • 作画監督
    コーコラン健太、永山歩実、冨田真理

ex

歴史

逃げて、隠れて、生き抜いて。天下を目指す鬼ごっこ。
鎌倉幕府滅亡から今日まで、本当にさまざまなことがありました。
此度は一度立ち止まり、我らが主君・北条時行さまの歩みを、わたくし諏訪頼重とともに振り返って参りましょうぞ!

10

変態稚児と神力騒動

一時的に未来が見えない時期があるのだと、頼重から打ち明けられた時行。
神の力を拠りどころとする者もいるため、みなに事情を明かせない頼重は、時行の手を借りて、神力を取り戻すための方法をひとつひとつ試してゆく。
諏訪大社中を駆け回り、頼重が望むとおりのものを揃えてゆく時行。
しかしどれを試してみても、一向に神力が回復する兆しは見えないどころか、時行に思わぬ影響が及んできて……。
神と人とが共存する最後の時代。
時行は、つかの間の不可思議に触れる……。

スタッフ

  • 脚本
    冨田頼子
  • 絵コンテ
    舟窪理治
  • 演出
    舟窪理治
  • 作画監督
    高橋沙妃、Nogya、三輪修平、高野 綾、やまだまや、進藤麻耶、冨田真理、有間涼太、宮内 崇

11

死にたがりと逃げ上手

朝廷より新たに任じられた信濃国司・清原信濃守。
その男は権勢を振るい、領民たちを苦しめる悪徳国司であった。
いよいよ圧政に耐えかねた諏訪神党の一人・保科弥三郎は国司を討つため兵を挙げる。
しかし諏訪は朝廷との対立を避けるため、救援を出すことができない。
頼重の頼みを受け、保科党の反乱をとめるため、北信濃・川中島へ説得に向かうこととなった時行と逃若党。
「誇りのために死ぬ」覚悟に燃える武士たちに、時行は「逃げて生きる」覚悟を示せるか――。

スタッフ

  • 脚本
    山崎莉乃
  • 絵コンテ
    平峯義大
  • 演出
    平峯義大
  • 作画監督
    谷本 馨、吉野彰敏

12

がんばれ時行、鎌倉奪還のその日まで

時行と諏訪神党・四宮左衛門太郎の説得を受け、川中島からの撤退を決めた保科軍。
しかし、悪辣な国司がそれを黙って見逃すはずもなく……。
領民たちを守りながらの平地での戦い。
国司軍に数で劣る保科軍と逃若党。
得意の「逃げ」を活かし、時行は将となり得るか。
「逃げるが勝ち」の撤退戦の行方は――!

スタッフ

  • 脚本
    山崎莉乃
  • 絵コンテ
    山﨑雄太
  • 演出
    由井 翠
  • 作画監督
    コーコラン健太、高橋沙妃、進藤麻耶、宮内 崇、三輪修平、冨田真理、h.s、永山歩実、有間涼太、Nogya、高野 綾、やまだまや