天官賜福

STORY

ストーリー

1

第一話

太子の嫁入り

仙楽国の太子である謝憐は17歳の若さで天界に飛昇したが、その後訳あって2度も人間界に落とされていた。そして3度目の天界入りを果たした謝憐に対し、天界の第一文神の霊文は彼が功徳を得られるように下界での任務を与える。明光将軍の守護領域である北の地では何年も前から鬼花婿という謎の鬼によって花嫁が奪われるという事件が起きていたのだ。早速北の地に向かった謝憐は、霊文が遣わした南陽将軍の配下・南風、玄真将軍の配下・扶揺と共に明光廟を捜すが…。

第二話

隠された明光廟

鬼花婿を追う途中で輿(こし)を奪われた謝憐は、銀の蝶を操る男に連れられ屍の林を通る。男が足元の骸骨を踏みつけると陣が破られ明光廟が出現、中には行方不明になっていた17人の花嫁が腐敗せずそのままの姿で残っていた。そんな中、遅れて廟にやってきた賞金稼ぎたちが顔に包帯を巻いた少年を見つける。その少年は与君山に住んでおり、村人から醜いと虐げられていた。彼を鬼花婿だと疑った賞金稼ぎたちは、逃げた少年を追いかけて森の暗闇へ入っていくと…。

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第三話

女将軍の執着

鬼花婿の正体が女だと推理した謝憐は、霊文に明光将軍の女の知己で体の不自由な者はいなかったか尋ねる。霊文によれば、明光将軍こと裴茗は飛昇する前は武将であり、戦場で敵の女将軍・宣姫と深い仲になっていた。宣姫は裴茗への執着が激しいがゆえに死後、明光将軍の管理領域である北の地で悪さを重ねていたのだった。裴茗が姿を現さないことに怒った宣姫は小彭を殺し小蛍まで命を落としてしまう。そんな中、天が輝きついに明光殿の将軍が降臨する…。

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第四話

鬼王 花城

包帯の少年の顔にはかつて仙楽国を滅亡に追いやった人面疫の痕が残っていた。謝憐は霊文に与君山とその少年のことを報告し、神官たちに屍林で出会った銀の蝶の主について問う。蝶の主は四大害の1人、鬼王花城であり、彼はかつて神官33人と決闘して勝利し、天界を震撼させていた。自分で道観を開くと霊文に告げ、人間界で見つけたあばら家に住みついた謝憐はある日、廃品を集めた帰りに牛車の荷台で1人の少年と乗り合わせる。

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第五話

謎の少年

廃品集めの帰り、少年と牛車で乗り合わせた謝憐。神や鬼に詳しい彼は名を三郎といい、家を飛び出し気ままに放浪中だという。霊文の言葉から彼を花城だと疑った謝憐は探りを入れるが、三郎に不審な様子はなかった。道中で鬼に遭遇するも何とか切り抜けた2人は謝憐の道観に到着、謝憐は行く当てのない三郎を泊めてやることにする。翌朝、三郎は泊めてくれたお礼に仙楽太子の姿絵を描き、道観の修繕を手伝う。そこへ、村人たちに連れられた瀕死の道士が現れる。

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第六話

あやかしの砂漠へ

謝憐たちの前に現れた道士の話では、隊商が北西の砂漠を通っていたが半月関に到着したところで奇怪な現象が起き全滅したという。半月関とはかつて半月国が存在した地で、元国師で凶の鬼・半月妖道が跋扈(ばっこ)していると言われていた。半月関に何かあると感じた謝憐は三郎、そして南風と扶揺も加わり4人で向かうことにする。旅の途中、三郎のことを怪しむ南風と扶揺は彼の正体を暴こうと試みるが失敗に終わる。そんな折、謝憐は砂嵐の中を軽快に進む2つの人影を見つける。

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第七話

忍び寄る影

砂嵐に飛ばされた謝憐。三郎たちと洞窟を見つけ出し避難するが、洞窟内には天生という少年を含む商人一行がいた。謝憐たちは洞窟内で、半月人が建てた中原の将軍の石碑を見つけるが、知らぬ間に無数の毒蛇に囲まれてしまう。毒蛇は半月妖道が操ると言われる蝎(かつ)尾(び)蛇(じゃ)だった。洞窟から逃げ出した謝憐たちだったが、商人の1人が蝎尾蛇の猛毒に侵される。毒を解く薬草を見つけるため、謝憐たちは地元の道案内人である阿昭を先導として旧半月国へと向かうが…。

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第八話

暗雲漂う故国

謝憐たちは半月国で白衣と黒衣に身を包んだ2人の女を目撃する。南風が女を引き離す間、謝憐と三郎、阿昭は善月草を探しに王宮へ向かうが、そこには残してきたはずの天生と商人たちもいた。三郎が見つけた善月草で謝憐は毒を解くが、善月草が生い茂る庭には50年もの間、養分として埋められていたという中原商人の顔が。人面は商人に襲い掛かり、半月国の将軍を呼ぶ。現れたのは半月国滅亡時の唯一の将軍だった刻磨と配下の半月兵だった。刻磨は謝憐たちを罪人坑へと連れていき…。

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第九話

妖道の災い

罪人坑に落ちていった三郎。謝憐も刻磨将軍を道連れに罪人坑へ跳び下りる。その頃、地上では梁に縛られていた少女らしき影が次々と半月兵を襲っていた。落下した謝憐は三郎に受け止められるが、罪人坑の底にいた半月兵は全員三郎に殺されていた。激怒した刻磨は三郎に襲い掛かるも力の差は歴然で軽くあしらわれる。謝憐は罪人坑から脱出するため刻磨将軍に休戦を提案し、半月国師との間に何があったのか問う。刻磨は半月国師の生い立ちと国師に裏切られた過去を語るのだった。

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第十話

将軍と少女

刻磨から半月国師が裏切った過去を聞かされた謝憐たち、そこへ頭上から落下してくる人影。それは凶の鬼・半月国師だった。刻磨は半月国師を裏切り者と責め、痛めつける。無抵抗の半月国師に、謝憐は見知った少女の面影を見出す。なんと半月国師はかつて謝憐が西域で知り合った身寄りのない少女・半月で、洞窟に立てられていた塚の将軍とは当時の謝憐のことだった。謝憐は半月に蝎尾蛇のことを問うが、半月の答えは意外なものだった。

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第十一話

砂に埋もれた功罪

頭上から蝎尾蛇の雨が降り注ぐ中、謝憐は罪人坑の底に三郎、扶揺、半月、刻磨以外の6人目の人物がいると考える。蝎尾蛇を操り商人たちを亡魂の餌にしたのは、阿昭を己の分身として遣わした裴宿将軍だった。そこへ大風が吹き謝憐たちは地上へ放り出される。そこには南風、そして白衣と黒衣の女たちがいた。白衣の女の正体は神官・風師で、裴宿の下界での行動を探るために砂漠を訪れていた。そして裴宿は200年前、謝憐が花将軍として半月と知り合った頃、半月と仲のよかった永安国の少年だった…。

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第十二話

花香る夜語り

菩薺観に戻ってきた謝憐と三郎。二人で天界や鬼界の話に花を咲かせる。すると壺に収めていた半月が目を覚まし、外の星空を見つめる。半月は裴宿の行く末を心配し、半月国の城門を開けてからのやりきれない気持ちを吐露する。慰めようとする謝憐に半月は、昔、花将軍が語っていた若い頃の夢を口にする。それを聞いた謝憐は若き日の自分の言葉に気恥ずかしくなり、かつてある人物にもバカげた言葉をかけたことを三郎に伝えるのだった。

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