物語
ボランティアの実習として独り暮らしの老人の世話をしている看護学生の晴子。そんなある日、厚生省が高齢化社会へ向けての新事業『Zプロジェクト』を打ち出してきた。在宅独居老人を介護する全自動看護ベッド、Z-001号機─。超小型原子炉によって稼動するこのベッドは、コンピュータを搭載。食事、入浴、排泄物の処理はいうまでもなく、テレビ、ラジオ、電話、オーディオまで完備して患者を孤独から解放するという、画期的マシーンであった。その栄えあるモニター第1号に自分が世話していた高沢老人が選ばれたことから、複雑な思いを抱く晴子。
その不安は、Z発表会の日に、さらにくっきりとした形となって現われた。Zによって体を洗われ、おしめを替えてもらい、食事、運動までさせてもらう高沢老人。しかし、彼女には、彼が機械にがんじがらめにされてる姿が、痛々しくてならなかったのだ。割り切れぬ思いで学校に戻る晴子。そこで彼女は、パソコンを埋めつくす「HARUKO」の文字を発見する。「おじいちゃんだわ」─大胆にもセンターへ忍び込む晴子。老人を救い出そうとする彼女に呼応するかのように、突如、Zが暴走し始めた!果たして何が起きたのか?事件は、さらなる謎を深め怒濤のクライマックスへ突入していく──
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