このシーンに関する江面氏のコメント: 小夜がですね、口に折れた刀をくわえて、金網に登るシーンがあるんですよ。その時に、小夜に飛び掛かられて、金網が、がしゃんっ!って揺れるんですよ。そのカット、私がアフターエフェクトやってるんですけど、今までだったら、金網ってのは、背景だから、動かないんですよ。動かないんだけど、私、あのアニメーターですから、デジタルだと、小夜の動きに合わせて金網が、びよんよんよんよんよんって、揺れる動きってのは、簡単につくれちゃいますから。普通だったら、背景は、ポスターカラーで紙に描くから、二枚も三枚も描くわけにはいかないんで、質感のあるものっていうのは、セルのキャラクターが飛びついても動かせないんですよ。逆に、木がいっぱいあってですね、折れる木っていうのは、映像を見てると、すぐわかるんですよ。あの木折れる、あの壁崩れるとか、よくわかるんですよ。たとえば、戦車とかが、壁をぶっ壊して、どかんて現れる時に、その段階で壁がすぐセルになるから、あ、あれ壊れるってすぐわかるんですよね。だけど、とびかかるカットっていうのは、アフターエフェクトのバージョン4.0から、基本機能でできる技で、たんにオブジェクトを変形させるだけですから。その変形を時間軸で扱えるんで、うまく動かすと、ちゃんと、動きになってくれるんですよね。うん。だから、最初、ラッシュの段階では、小夜がたたたたたっ走ってきて、とてっ、ぐっ、金網をつかんで、のしのしって上らせてたんですけど、最終的には、たたたたた、で、小夜が飛び掛った瞬間に、がしゃんっ、で、つかんで上へ上へ行くたびに、ぐぁんぐぁん、揺さぶられるかんじになって、動かしたんですよ。 |