桑原水菜原作(集英社・コバルト文庫刊)
1990年11月の単行本・第1巻発売が発売され、2010年の今年、20周年を迎えたロング・セラー小説。
番外編、写真集を加えると60冊余りとなる本シリーズは、幅広い読者層に影響を与え、2004年に本編最終回を迎えた後の現在でもその人気は根強い。
TV シリーズは日光~箱根を舞台とした「覇者の魔境」がメインとなっており、原作小説の中でも人気の高いエピソードのアニメ化であり、
OVA は続編でもある「みなぎわの反逆者」のアニメ化となっている。
戦国時代、天下統一を果たすことなく無念の想いで死んでいった武将たちが現代に甦り
戦いを繰り広げる「闇戦国(やみせんごく)」。闇戦国を終結させるべく、悪霊となり果てた武将たちの
魂を浄化し冥界へ送る「調伏力(ちょうぶくりょく)」を使う者たち…彼らは軍神・上杉謙信により使命を
与えられた、冥界上杉軍と呼ばれる最強の「力(りょく)」の持ち主であった。
冥界上杉軍の総大将は謙信の養子であり、義兄弟・上杉景勝との家督争いで若くして非業の死を遂げた、上杉景虎…。
しかし、現在の彼らの中に景虎の姿はなかった。30年前の織田信長との戦いで破滅的な打撃を受け、
宿体を失った景虎は換生[かんしょう](*注)は出来たものの、その後に起きたある事件が原因で記憶を自ら封じてしまっていたのだ----。
松本に暮らす高校生・仰木高耶の前に怪現象をきっかけに現れた青年.... 彼は高耶が戦国武将「上杉景虎」の換生者であることを告げ、自らも家臣で後見人の「直江信綱」であると名乗る。しかし、そんな話を信じられる訳もなく反発する高耶だが、
身の回りに次々と起こる闇戦国絡みの怪現象に対峙していくうちに自らの「力(りょく)」を覚醒させてゆく。
(*注)「換生[かんしょう](者[しゃ])」
肉体は滅ぶが魂は生き続け、新たに肉体を得え甦ること。
その際、記憶や人格などはそのまま継承される。換生する肉体は必要に応じて選択でき、性別も選択可能。