「BLOOD+」に登場するキャラクターの公式“裏”設定を、大松裕アニメーションプロデューサーが解説する特別編、待望の第3弾!
今回は、謎のフランス人、ヴァン・アルジャーノと、翼手の謎を追う「琉球毎日」記者、岡村昭宏の魅力に迫る!
これを読めば、キャラにますます愛着がわき、本編がもっと楽しめること間違いなし!?
ヴァン・アルジャーノ
●ヴァンは5人兄弟の末っ子
大松「ヴァンはフランスのマルセイユ出身、5人兄弟の末っ子。ぜんそく持ちで、体が弱く、兄弟からもいじめられていた…。そうした境遇で、自分を守るために勉強し大学まで進んだという設定です。ヴァンのある種屈折した性格は、こうした部分からきています。飴を舐めているという設定も、単なる甘党だからではなく、緊張しがちで気が弱い性格から自分をリラックスさせるため、コミュニケーションツールとして飴を利用しているんです。」
●沖縄編では“ボスキャラ”のようにふるまっていたヴァンの肩書きは?
大松「大学卒業後、製薬会社サンク・フレシュ・ファルマシーのスポンサード企業に就職、その後ある“極秘プロジェクト”の担当に任命されました。それが、「デルタ計画」です。今の直属の上司は、サンク・フレシュ・ファルマシーのCEOであるソロモンです。人間を翼手化してしまうような恐ろしい所業も、元来屈折し人間不信である性格のヴァンだからこそ抵抗なくやれる、そういう意味でヴァンは、上司の命令を忠実に実行するサラリーマンと言えると思います」
●イメージは及川光博さん
大松「キャラクター設定のイメージは、及川光博さんです。外見は、知的でスマートなインテリというイメージです。こうしたヴァンの外見に、諏訪部順一さんがねばっこい演技を加味されることによって、キャラクターに深みが加わっていると思っています。
ちなみに、ヴァンの着ているスーツはブランド物。フェラガモです(笑)。スーツはいつも同じように見えますが、同じような色、タイプを何着も持っているんです(笑)。」
岡村昭宏
大松「岡村は1976年生まれ。父親は、本編でもすでに描かれています、フリーの戦場カメラマン。ベトナム戦争にも従軍し、そこで小夜の覚醒した姿を目にしています。その後、父親は仕事をやめ、沖縄へ戻り写真屋の親父に転身します。父親は岡村が幼少の時に亡くなっているので、父の姿はあまりよく覚えてません。
母親一人の手で育てられた岡村は、高校でラクビー部に所属したものの、大学ではラグビー同好会に所属していました。体育会のラグビー部でなく、ラグビー同好会というところに岡村の“中途半端な性格”が現れていますので、この設定は注目です。同好会での後輩が、沖縄編でも登場した全国紙記者の反町です。岡村は在大阪の全国紙への就職を目指しましたが、就職がかなわず地元の「琉球毎日」に就職しました。地元のネタばかりで平凡な日々をおくっていたところ、翼手や米軍に関わる事件を目の当たりにし、翼手事件の謎を追うことになっていく。
ベトナムまで乗り込んでいった岡村ですが、ひょんなことから今後はある意外な人物と行動を共にすることになります。今後の岡村にぜひ注目してください」
「BLOOD+講座・特別編」いかがでしたでしょうか? 第1弾はこれで終了しますが、皆様のリクエスト次第で今後とも継続していく予定です。
ぜひご期待下さい。