「BLOOD+」に登場する公式“裏”設定を、大松裕アニメーションプロデューサーが解説する特別編の第5弾!!
クライマックス間近となる今回はディーヴァの「シュヴァリエ」7人を徹底解説。
これを読めば、キャラにますます愛着がわき、本編がもっと楽しめること間違いなし!?
アンシェル・ゴールドスミス(長男)
ディーヴァの最古のシュヴァリエ。
「元々は動物学者」(大松裕)だったアンシェルは130年前、「動物園」の創設者・初代ジョエルとともに、園内に運び込まれた翼手のミイラを解剖、その体内から取り出された繭から誕生した双子の姉妹(小夜とディーヴァ)の生態を研究することに。「動物園に小夜の交配相手としてハジを買ってきたのもアンシェルです」(同)。
初代ジョエル72歳の誕生日、小夜が塔から解き放ったディーヴァにより園内の人間が虐殺された「ボルドーの日曜日」事件直後、ディーヴァのシュヴァリエとなる。その後、「ゴルトシュミット家崩壊のどさくさに紛れていつの間にか分家(ゴールドスミス)を名乗っている」(同)。
現在表向きは、資本に物を言わせて世界中の名立たる企業の株主になっているゴールドスミス・ホールディングス総帥の顔を持つ。
グレゴリー・エフィモビッチ・ラスプーチン(次男)
20世紀初頭・帝政ロシア末期、ロマノフ王朝を破滅に追い込み悪の権化と言われた怪僧ラスプーチン(?~1916)がシュヴァリエの次男。
村娘・ソーニャに擬態していたが、小夜の手によって殺された(第17話「約束おぼえてる?」)。その時のディーヴァはロマノフ家の末の皇女アナスタシアに擬態していた。
マルティン・ボルマン(三男)
ナチスドイツにおいてヒトラーの側近として暗躍したマルティン・ボルマン(1900-45?)が三男。
第12話、ベトナムの洋館でカールが見つめていた過去の写真にその姿が確認されている。ディーヴァが「人形のように」おとなしくしていたというベルヒテスガーデンはヒトラーの別荘地。「当時のディーヴァは、ヒトラーの愛人エバ・ブラウンに擬態していました」(同)。
第37話でアンシェルがソロモンに話すセリフ「ドイツではいい仕事をしてくれた」とは、兄弟の中でアンシェルの意向に沿わないシュヴァリエを葬る“シュヴァリエ殺し”をソロモンが担っていたということ。「ディーヴァと内通し近づきすぎたあまり、アンシェルの反感を買った結果、ボルマンはソロモンに殺されました」(同)。
ソロモン・ゴールドスミス(四男)
ゴールドスミス末弟の一人。第一次世界大戦(1914~1918)の戦時景気でゴールドスミスはにぎわい、銀行や保険会社の設立を繰り返していた時期、権力を拡大することを意図した家族により軍に入るはずだったが、医学を学び、人を助ける道を歩みたかったソロモンは家をでる。そんなソロモンにアンシェルは軍に入らずとも良いように計らい、勉学に務める環境を提供した。
1次大戦の終り、フランスで医師として働き始めた頃、アンシェルの城の地下でディーヴァの血分けを受けシュヴァリエとなる。
サンクフレシュ・ファルマシーの若きCEO。「この10年くらいの間」(同)にフランスの一製薬会社にすぎなかった会社を世界的大企業にした。
カール・フェイオン(五男)
リセ・ドゥ・サンクフレシュ理事長兼サンクフレシュ・ファルマシーのベトナム支社長。「ベトナムからの留学生で医学を学んでいた」(同)カール。彼がシュヴァリエとされた悲しき過去“ディーヴァの血が全てを変える。個体差はあるにせよモンゴロイドがそれに適合しうる、とのグレゴリー理論により、シュヴァリエとしての不死性を供えた実験材料だった”は第37話で描かれた。「カールをシュヴァリエになるよう誘惑したのはソロモン。ベトナム人として戦争の中で人はどういうふうに生きていけばいいのか、真剣に考えていたその心につけこんだのでしょう」(同)。
ジェイムズ・アイアンサイド(六男)
米海軍原子力空母の副艦長。アンシェルの仕事上の重要なパートナーの息子として軍に入り、中佐まで上り詰める。
第2次世界大戦の最中、ベルリンでシュヴァリエになる。「ベルリン陥落の時に連合軍の一員として従軍、瀕死の重傷を負う中アンシェルに助けられシュヴァリエに。そこにはネグロイド(黒人)被験体が欲しいというアンシェルの思惑もあったと思います」(同)。
ディーヴァのことを「ママ」と呼ぶジェイムズだが、「貧しい家庭に生まれ幼くして母親を失くしているジェイムズは、もう一度自分に命を吹き込んでくれたディーヴァに宗教的忠誠心を感じています」(同)。
ネイサン・マーラー(七男)
ニューヨーク・メトロポリタンオペラハウスのプロデューサー。オネエ言葉を操る一方で、時に男声で発する厳しい側面もあわせ持つ。
「他のシュヴァリエと一線を画した空気感の違い。今後の物語の大きな鍵を握ります」(同)。
今だその過去が明らかになっていないネイサンだが、その裏には何が隠されているのか・・・・・・。